Q&A
Q:回転バネって何ですか?
A:部材接合部の構造として一般的に知られているのはピン構造です。
PC-ATMでは天頂部の部材接合部にピン構造と剛結構造の中間に位置する回転バネ構造を採用しています。
これら3つの接合構造の特徴を以下の図を用いて説明します。
・ピン構造
上下どちらに回しても抵抗を感じません。
・剛結合
上下どちらに回そうとしても大きな抵抗を感じて回りません。
・回転バネ結合
ボルトが無い側を目開きさせようとすると抵抗をあまり感じません。
ボルトが有る側を目開きさせようとすると抵抗を感じます。
これら回転方向の抵抗感は、曲げモーメントと呼ぶことができます。つまり、抵抗を感じるほど曲げモーメントを伝達する構造といえます。
埋め戻し施工時にトンネル天頂部は上下に変位します。トンネル天頂外面に設置したボルト継手は、回転バネ値が大きく剛結合に近いため、トンネル天頂部が極度に上下変位するのを防止します。また、完成時にはトンネル天頂部は下方に変位します。トンネル天頂外面に設置したボルト継手は、回転バネ値が小さくピン結合に近いため、周辺地盤の拘束力を有効に使用でき、経済的な断面を創造します。
部材をボルトで接合した場合、どの程度曲げモーメントを伝達するのかを数値化する理論に「村上ー小泉法」があります。「村上ー小泉法」は1980年に”シールド工事用セグメントのセグメント継手の挙動について”と題した論文が土木学会に報告されてから現在に至るまで使われている理論です。
このような継手を有しているプレキャストアーチカルバートがPC-ATMです。
解析モデル
Q:継手って実際どんなものですか?
A:継手には、ピース間継手とリング間継手があります。ピース間継手とは、天頂部に配置し、左右の製品を連結する継手で回転バネとして評価しています。リング間継手とは、円弧状に配置し、トンネル軸方向に連結する継手です。
Q:坑口の処理方法にどのようなものがありますか?
A:PC-ATMの坑口構造には、竹割り構造、補強土壁構造、場所打ちウイング構造等があります。
Q:分割式アーチカルバートにはどのような種類のものがありますか?
A:分割式アーチカルバートには、分割数および目地の連結方法の違いにより数種類の工法があります。